プロスペクト理論
なんとなく聞いたことがある方もいると思いますが
ここだけの話、
FXは”負けトレーダーが9割”
と言われている原因の一端が
今回解説するプロスペクト理論で提唱されている心理状態に隠されています。
プロスペクト理論とは
プロスペクト理論とは難しく言うと「選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデル」です。
簡単に言えば人の行動が不合理なことをを証明した理論です。
これを学ぶと人が株式投資、FX(為替証拠金取引)、仮想通貨、ギャンブルなどで勝てない理由がよく分かるのです。
具体的にみていきましょう。
有名な実験として、以下のようなものがあります。
プロスペクト理論の元となった実験は、カーネマンが「一つだけの質問による心理学(psychology of single questions)」と呼ぶ手法による。この手法は、心理学者のウォルター・ミシェル(英語版)が用いた方法を参考にしたものである。
例えば、以下の二つの質問について考えてみましょう!
- 質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
- 選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
- 選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
- 質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
- 選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
- 選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。
質問1に対するあなたの回答はいかがでしょうか?
実はどちらも【期待値は同じ】なのです。
しかし、【堅実なAを選ぶ人の方が圧倒的に多い】という実験結果が得られています。
そして、質問2はどうでしょうか?
2に関しても実はどちらも【期待値は同じ】です。
堅実なのはAです。
しかし、この質問2では、ギャンブル性の高いBを選んだ人の方が圧倒的に多かった、という実験結果が出ています。
上記の実験から得られる結論は、人間は目の前に利益があると利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるということです。
実は、FXでも同じ状況になっているのです。
利益を出している状況では「早く利益確定したい」と思い、損失を出している状況では「リスクの高いトレードをしてでも早く損失を解消したい」と思ってしまうのです。
利益が出たとき
少しでも利益が出たら「この利益を逃したくない」と思ってしまい、「利益が少なくても、早く利益を確定してしまおう」と考えてしまう。
↓
その結果、チキン利食いをしてしまう。
損失が出たとき
逆に、損失を抱えている場合では「多少のリスクを負ってでも早く損失を解消したい」と考えてしまう。
↓
その結果、ナンピンしたり大きいロットでエントリーしたりとギャンブル的な行動に出てしまう。
FX口座にお金を入金して、これからトレードで稼いでいこう!と思って、少しでも利益がでたら「堅実に利益を少しずつ増やしていこう」と思っている人が多いことでしょう。
しかし、負けが連続して続いて資金が大きく減ってしまうと「一発逆転したい」と考えるようになってしまうのです。
そして、「損失を早く取り戻したい」という気持ちから、リスクの高いトレードに手を出し、金銭感覚が麻痺してギャンブル依存症と同じ状態になってしまうのです。
私もよく経験してました、早く損を取り戻したい、戻るのではないか、と
お祈りトレードのように。
このような行動をとると、最終的に間違いなく口座破産するでしょう。
FXでは、メンタルが大切!
このプロスペクト理論がなぜ重要かというと、FXは、エントリー・決済をする時に絶対に感情が出てくるためです。
感情を完全に殺してトレードができる人もいるかもしれませんが、多くの方は、感情が出てきてしまうものです。
ですので、トレードをする時に常にこのプロスペクト理論を頭に置いておき、この理論に背くようにしてトレードすることが大切です。
これを守ると、感情的なトレードにならずに、良いトレードができると思います。
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