転職の成功率は年代別でどれくらい?成功率を上げるコツは?

近年、終身雇用の衰退や、転職に対する意識の変化により雇用の流動化が進んでいるものの、仕事を変えることは大きな決断です。転職活動に失敗しないか、また転職できたとしても年収が下がってしまわないか、希望の職種や業種に携わることができるかなど、不安に思うことが多々あるかと思います。そこで今回は、年代別の転職成功率や成功率を上げるための方法について紹介します。

転職成功の基準は人それぞれ

そもそも「転職が成功する」とはどういう状態を指しているのでしょうか。

単純に会社・職が変われば成功というわけではなく、基準は個人によって変わります。

この基準を考えるとき、転職をしたことで今までの職で抱いていた課題が解決・改善に向かっているかという視点が大切です。

転職成功の具体例

転職が成功した状態の具体例としては、以下のようなものがあげられます。

・年収が上がった
・想定していた期間内に転職活動を終えられることができた
・やりたい仕事内容の職種に就けた
・職場の人間関係の不満がなくなった
・理想のワークライフバランスを実現した

給料や働き方などの転職したい理由、転職の目的を明確にすることで、
転職が成功したか否か判断できるようになります。

年代別の転職成功率について

転職希望者全体の成功率

転職希望者全体の成功率 45.2%

※転職希望者の中で実際に転職した方の割合

参考:厚生労働省「中途採用に係る現状等について」

厚生労働省の調査によると、15歳以上の男女の転職希望者の中で、実際に転職した方の割合は全体で45.2%でした。

前職で業績を残していたり、スキルを身に着けたうえで転職活動を始めることで、高確率で転職ができるでしょう。

20代の転職成功率

15~24歳 60.7%

25~29歳 50.3%

※転職希望者の中で実際に転職した方の割合

参考:厚生労働省「中途採用に係る現状等について」

全世代の中で、20代の転職成功率が一番高くなっています。そのため若い世代のほうが、比較的転職が成功しやすいと考えても良いでしょう。

特に20代前半~半ば『第二新卒』の世代は、一般的には卒業後約3年以内の若者で一度就職をしたが数年の内に離職し、転職活動をする若手求職者にあたります。

この層は企業から熱意やポテンシャルの高さに期待されるので、積極的に採用される傾向にあります。

30代の転職成功率

30~34歳 41.9%

35~39歳 41.9%

※転職希望者の中で実際に転職した方の割合

参考:厚生労働省「中途採用に係る現状等について」

30代の転職は20代と比較すると、成功率は下がっています。

ポテンシャル採用の枠は年齢制限等あるため成功率が下がる傾向ですが、20代で積み重ねてきた経験とスキルを活かすことでキャリアアップや年収アップを叶えやすくなるでしょう。

転職活動を成功させるための事前準備

転職の目的を明確にする

転職を成功させるためには、転職したい理由を明確にしておくことが必要です。

「なぜ転職をするのか」「やりたいことは何なのか?」「何のために会社を辞めるのか?」などの転職理由を、自分の現状を踏まえて言語化しておきましょう。

転職の目的が不明瞭だと会社選びの軸も不安定になり、転職先で少しでも不満がでると「企業選びに失敗した」と感じてしまう可能性があります。

転職の軸を固めておくことで、納得のいく転職活動ができるでしょう。

キャリアの棚卸をする

キャリアの棚卸しとは、仕事で経験してきたこと、携わった業務について洗い出す作業のことです。

どのようなことしてきたか(実績/業務内容)、何ができるか(スキル・知識・資格など)を書き出すことで、自分が何をやってきたか可視化することができます。

キャリアの棚卸で大切なことは目立つ仕事や大きな成果だけでなく、普段の業務や経験を振り返ることです。

すぐに転職活動を始めない方でも、将来必要なスキルや資格を把握できたり、転職活動を進める方にとっては履歴書や職務経歴書といった応募書類を作成するときに役立つでしょう。

今後のキャリアプランをイメージしておく

キャリアプランとは、自身が仕事を通して何を目指すのか、どんなキャリアを歩みたいかについて計画することです。

転職の目的と自身の実績やスキルをベースに、将来のありたい姿を想像してみましょう。

具体的な将来のビジョンと現状を比較することで、何が足りていないか明確になります。

将来のありたい姿に近づくために、不足している要素を今後のキャリアでどのように身に着けていくかを考えることで、無理なくキャリアプランを立てていくことができます。

転職エージェントに相談してみる

転職活動は自己分析や現状分析、応募企業の選択まで、準備段階だけでも大きな労力を要します。

転職活動をスムーズに進めるためには、自身の負担を軽減させることも大切です。

転職エージェントに相談することで、企業が一般公開していない求人を紹介してもらえたり、時間がかかる履歴書や職務経歴書の作成や添削をお願いできたり、面接対策もしてもらえます。

転職希望者と二人三脚で転職活動を進めていくので、負担を軽減させられるだけではなく、転職活動においての良き相談相手にもなってくれるでしょう。

転職の成功率を上げるための注意点

転職の軸はブレないようにする

事前準備の時点では、「転職の目的」や「今後のキャリアプラン」を明確にできていたとしても、転職活動を進めていくうちに、本当に叶えたいことを見失ってしまうことがあります。

転職の軸は、転職活動を進めるにあたっての「最優先事項」または「妥協点」となるので、定期的に振り返り、軌道修正していきましょう。

また「軸」を意識して企業選定することで、面接でも説得力のある志望理由を伝えられるので、選考通過率も上がる可能性もあります。

満足度の高い転職活動をするためにも、「軸」はブレないようにしましょう。

イメージで企業を選ばない

応募企業を選ぶ際には、情報収集が非常に大切です。

「ベンチャー企業だから成果主義だろう」「中小企業だから福利厚生は少ない」といった思い込みは転職後のミスマッチにつながります。

できるだけ多くの情報を集めて研究しておきましょう。

企業のHPだけではなく、さまざまな企業を知るために求人サイトを見るのもおすすめです。

また、企業の口コミや評判をまとめた比較サイトを利用すれば労働環境や人間関係、社風などをよりリアルな角度から知ることができます。

求人の採用条件を確認しておく

応募を検討している求人に記載されている必須条件や歓迎条件は、抑えておきましょう。

企業の求人票では、求めている人材の年齢や学歴、必要な経験や資格等の情報を得ることができます。

条件を確認するときは、共通している点があるかを意識して見てみましょう。

その共通点をもとに志望動機や自己PRを作成すれば、そのあとの選考や面接で活かせるようになります。

転職に成功する人の特徴

自分の強みと弱点を理解している

転職活動は、自身を商品としたプレゼンです。

そのため、自己分析が非常に重要である事を前提として、人より優れている点を売り込む必要があります。

それと同時に客観的な弱点も分析し、どのように克服し長所につなげられるかという考察が求められるのです。

弱点に関しては、言い換えれば強みと捉えてもらう事もできます。

例えば効率が悪い、遅いという欠点であれば、慎重や用心深いといった言い換えです。

強みも弱点も、面接などで掘り下げられた時に自己アピール材料にできるように準備しておきましょう。

客観的なアドバイスを取り入れられる

周囲からの冷静な意見を取り入れられる柔軟さも、転職成功しやすい人の特徴です。

自己分析に詰まった時には周囲を頼る事で解決する場合があります。

例えば長所や短所は同僚や上司、転職エージェントの意見などが参考になるでしょう。

自身のキャリアや他者との違いを客観的に考察する必要があるからです。

転職活動に真摯に向き合える

履歴書や職務経歴書の使いまわしは厳禁です。

転職成功しやすい人は、応募するすべての企業に真摯に向き合う事ができる人です。

採用担当者は多くの候補者と対峙しているため、志望度や熱意の高さを見抜きます。

情報の使いまわしを考える人は内容が凡庸的になってしまうからです。

ただしひとつの企業や年収、待遇などの条件面にこだわりすぎない事も重要です。

譲れない条件を軸とし、譲歩できる範囲もあらかじめ定めておきましょう。

自分をアピールする術を理解している

きちんと自己分析ができたら、採用担当者により正確に伝える方法も習得すると良いでしょう。

過大評価になっていないか、ネガティブになっていないか、対策はしっかり練ったか、もし心配であればプロの意見も参考にしてください。

まとめ

転職の成功率を上げるためには、事前準備が大切です。今の働き方に不満があり、勢いで転職を考えてしまうと準備が整わないまま選考に進もうとしてしまいがちです。

現在のキャリアをふまえて「転職の軸」を設定し、情報収集を綿密に行うことで、転職活動の成功に繋がるでしょう。

これらの事前準備をひとりでやることに不安がある方は、転職エージェントと一緒に転職活動を進めていくことを検討してみてください。

転職エージェントを利用することで、面倒な書類の作成や添削、業界に詳しいコンサルタントによる求人の紹介も受けることができます。

スムーズに転職活動を進めて確実に転職をしたいという方は、相談してみてはいかがでしょうか?

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