うつ病だと採用されない? 

うつ病による休職や退職を経験した方にとって、新たな就職・転職活動は勇気と不安のいるものです。「また働くことはできるのかな」「また再発しそう」「採用されるかな」と悩まれる方は多いでしょう。
うつ病による休職や退職が、転職活動において不利にはたらくケースもないとはいえませんが、企業は就職差別につながるような対応はできません。
そのため「絶対に不利」ではないのです。

そこで、今回ではうつ病を経験した方に向けて、転職活動の方法をご紹介していきます。

うつ病の人が就職や転職をするためにまず準備すること

専門家に相談する

就職や転職に関しても、うつ病を抱える人はまずカウンセラーや精神科医などの専門家に相談して就職・転職活動を行うようにしましょう。
無理をして活動をしても、良い結果が生まれないでしょう

履歴書を作る

就転職の許可を専門家から得てから、次のステップは履歴書の作成です。
履歴書は、多くの場合企業側との最初の接触の機会となることがほとんどです。
今までの職歴や自己PRなど、自分を就職または転職したいと思っている企業に売り込むために、また今までの自分を振り返るためにも記述する内容を入念に考えましょう。

業界研究をする

就職または転職したいと思う業界を、よく研究することも大切です。
その業界で、自分がどのように活躍できるか、またどのような働き方ができるかといった事柄を、きちんと調べておきましょう。
そのようなことを知らずに就職または転職してしまうと、職に就いてから仕事内容が思っていたものと違っていたり、働き方が自分に向いていかなかったりという問題が出てくることが考えられます。
そのような問題が出てくると、長期にわたって働き続けることが難しくなってしまうこともあります。
そのような事態を避けるためにも、希望する業界をよく調べておくことが大切です。

うつ病の人が転職や再就職を成功させるポイント

うつ病の人が転職や再就職を成功させるための重要なポイントは一つです。

就職活動をする際には、二つの手段があります。

・障害者求人に応募する

・うつ病であるということを公開せず就職活動する

障害者求人に応募する

障害者求人とは、企業や自治体などが障害者手帳を持つ人だけを対象に雇用する「障害者雇用枠」を作って障害者を雇用する制度のことです。
障害者求人を利用するためには、原則として障害者手帳を持っている必要があります。療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っている人も障害者求人の対象となります。

うつ病を抱える人が障害者求人の制度を利用して転職または就職した場合には、その人が「うつ病である」ということを企業側が理解した上で採用してもらえるため、体調や働き方などへの配慮が受けやすくなるというメリットがあります。

しかし、通常の求人数に比べると障害者求人は職種の幅が広くないというデメリットもあるため、なかなか自分が思うような職種での採用に結びつかないということも考えられます。

うつ病を隠して就職活動する

第二の選択肢であるうつ病を隠して就職活動を行うという方法を取る人が出てくるのですが、この方法はお勧めできません。

うつ病を抱えていることを隠して就職した場合、急な体調の変化などにより休みを取る必要があっても、なかなか企業側や同僚の理解を得ることができない可能性があります。
最悪の場合には単に「欠勤が多い人」、「自己管理ができない人」といったレッテルを貼られてしまうことがあるからです。
そのような状態になってしまうと、職場に居づらくなり結果的に長期にわたって働き続けることが難しくなるケースが多いためです。

うつ病であることを隠して一般枠で採用される事を希望して就活をした場合、求人数は障害者採用より多くあるため、就職しやすいといったメリットがあります。
しかし、うつ病に対する配慮は一切受けることができないというデメリットがあることを覚えておきましょう。

就労移行支援事業所を利用する

就労移行支援って何?

障害のある方の社会参加をサポートする、国の支援制度で障害者総合支援法という法律があります。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。
一般企業への就職を目指す障害のある方(65歳未満)を対象に就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートをおこないます。

利用料金は?

就労移行支援事業所は、多くの方が無料で利用していますが、前年度の所得に応じて自己負担は発生する場合があります。

お勧めの就労移行支援事業所

パーソルチャレンジ・ミラトレ

パーソルチャレンジ・ミラトレ は運営会社であるパーソルチャレンジは、総合人材サービス「パーソルグループ」の特例子会社として、障害のある社員とともにはたらく会社です。
特徴としまして、

<1>一人ひとりに最適な支援計画
<2>高い実績 「就職率98%」「職場定着率80% ※就職後半年後の定着率」
<3>障害のある社員300人超が活躍してる特例子会社だからこそ培った就労継続ノウハウを活かしたトレーニングプログラムがあります。

利用者の声

気分障害(うつ病)38歳 男性

はたらく上での課題がクリアになりました。
症状への対処方法が分からず、このままで就職できないと思い支援を受けることにしました。最初は1日フルで通うことも難しかったのですが、通所を続けるうちに徐々に安定。コミュニケーションを中心としたプログラムがとても参考になっています。現在の自分の課題は、人との距離感を掴むことだとわかりました。

発達障害 女性 26歳

疑似就労体験で、成果を実感!
職場での「報・連・相」が苦手だったため、疑似就労プログラムがあるミラトレを選びました。事業所では実際の仕事のように職務が割り当てられ、利用者同士で協力して行う作業などもあります。こうしたプログラムを通じて、コミュニケーション能力を改善できていると実感しています。

といった声があります。

まとめ

ここまで、うつ病を抱える人が就職や転職を行う場合の心構えや注意すべきポイントなどについて解説してきました。
うつ病を抱えた人が就職または転職を行う事は、決してむずかしい、できないことではありません。
自分の状態を知り、自分に合った心構えや準備、方法を取ることで就職または転職を成功させることができることがお分かりいただけたと思います。

しかし、ここで紹介したような就職または転職のためのプロセスを、うつ病を抱えた人が一人で行うのはなかなかに難しいものです。
就労移行支援事業所などのサービスを上手に活用してサポートを受け、長く働き続けることができる自分に向いた企業への就職または転職を目指しましょう。


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