うつ病で返せない借金の対応方法は?

借金問題とうつ病(うつ症状)、同時にふたつの問題に悩む方は少なくないのではないでしょうか。
まして、うつ病は、生涯に約15人に1人、過去12ヶ月間には約50人に1人がうつ病を経験しています。 

たとえば、借金苦によるストレスが原因で、不安な気持ちが収まらない、無気力になってしまう、冷静な判断ができなくなるといったことです。また、職場でのストレスが原因でうつ病になり、収入が途絶えたことで借金返済が行き詰まってしまうこともあるでしょう。
仮にうつ病でなくとも借金してると、お金ことばかり気にして、疲れてしまい、ついついネガティブになることもあるかと思います。

うつ症状に加えて借金の悩みも抱えることは、まさに二重苦といえます。そこで、今回はこのような辛い状況に陥ってしまったときの解決方法を解説します。

うつ病が借金の原因となるケース

うつ病が借金の原因となってしまう場合うつ病は、多額の借金を抱える原因になってしまうことがあります。

たとえば、うつの原因が仕事上のストレスにあるような場合には、うつによって、仕事を長期間離れることもあるでしょう。そのため、収入が激減し、生活費などを工面するために、高利の借金に手を出してしまう可能性も高まります。

また、うつを抱える前に住宅ローン・自動車ローンなどの多額の借金を抱えていれば、収入の減少によって、これらの返済が苦しくなるでしょう。

借金が原因でうつ病の原因となる場合も逆に、借金が原因でうつ病になってしまうことも珍しくありません。多額の借金を抱えていることや、借金の返済に苦労している(滞納してしまった)ことは、精神的にも大きなストレスになります。
実際に私も基本はポジティブですが、借金返済するのに疲れてしまったりして、たまに病んでしまうこともありますね。

2、生活費などを工面する方法

うつ症状を抱えてしまった場合には、それまで通りに働くことが難しい場合が多いでしょう。症状が重いケースでは、治療に専念するために離職を検討しなければならないこともあります。

このような場合、家族などの支援を受けられるのが最も良いといえますが、それが難しい時には次のような公的支援による生活の支援を受けることができます。

  • 生活保護
  • 傷病手当
  • 生活福祉資金貸付(総合支援資金など)

生活保護

生活保護生活保護は、生活に窮する状況に陥ってしまった人のためのセーフティーネットです。

うつ病が原因で会社を辞め、収入が絶たれてしまった場合には、生活保護を申請することで、生活保護費の支給だけでなく、ケースワーカーによるさまざまな支援を受けることができます。

しかし、一定の資産がある場合などには、生活保護を受給できない場合もありますし、家族に一定の収入があることが生活保護を受ける上でネックになってしまうこともあります。

また、借金の返済を抱えている状況では、自己破産で解決することを前提にしなければ生活保護を受けられない場合も多いことも注意する必要があります。生活保護はあくまでも生活費を支援するための制度なので、生活保護費を借金返済に充てることは禁止されているからです。

(傷病手当会社員が病気によって休職を余儀なくされ収入が減ってしまった場合、健康保険から傷病手当を受け取ることができます。傷病手当の支給額は、支給開始日前1年分の標準月収額の2分の3の金額となり、最長で1年6ヶ月まで受給することができます。

ただし、退職によって健康保険を脱退してしまった場合や、国民健康保険に加入している人(自営業者)は利用することができません。

(3)生活福祉資金貸付生活保護や傷病手当による支援を受けられない場合、生活福祉資金貸付による支援が役に立つかもしれません。

生活福祉資金貸付は、総合支援資金・福祉資金とさらに細分化されたさまざまな場面での支援制度が用意されています。

たとえば、失職によって住まいを確保できなくなってしまったという場合には、新たな住まいを借りるための費用の貸付を受けられる可能性があります。

3、うつ病を抱えてしまった人の借金解決方法

「うつ病が原因で収入がなくなってしまった」、「借金返済が苦しくてうつ症状が出てしまった」というようなケースでは、医師への相談と適切な治療とともに、弁護士・司法書士に債務整理の相談することをおすすめします。

収入が減り、すぐに回復する見込みがないときには、残っている借金を自力で返済することは難しい場合が多いでしょうし、うつ症状が出るほどまでに追い詰められた借金をそのままにしておくこともリスクでしかないからです。

  1. (1)債務整理を弁護士に依頼し、早期にストレス軽減をうつ症状を抱える人にとっては、精神的な負担を増やすことは避けたいことのひとつです。

    しかし、弁護士に依頼することで、返済・取立てに関する不安が軽減されるでしょう。なぜなら、銀行・消費者金融・クレジットカード会社といった金融機関は、弁護士に債務整理を依頼した顧客(やその家族)への取立行為を禁止されているからです。

    したがって、債務整理を弁護士に依頼すれば、金融機関からの連絡はすべて代理人である弁護士になされ、ご自身がメールや電話、郵便物による督促におびえることもなくなります。

    さらに、弁護士に債務整理を依頼した場合には、債務整理が終わるまで借金の返済を一時的にストップさせることになります。債務整理に着手した後に個別の借金返済をすると、債権者の公平を損なうことにもなりますし、債務整理の準備にも支障が出ることがあるからです(金融機関がそのことへクレームを述べる相手も弁護士になります)。
  2. (2)うつ症状のある人の場合の債務整理の方法債務整理には、自己破産、個人再生、任意整理の3つの方法があり、それぞれの特徴は、以下のとおりです。
    • 任意整理:今後の利息を免除してもらった上で、残額を3~5年程度の分割で返済
    • 個人再生:裁判所の決定で将来利息と元金の一部を免除してもらい原則3年で分割返済
    • 自己破産:処分可能な財産を換金し債権者に配当することで残債務が免除される


    実際にどの方法を選択して債務整理を行うべきかはそれぞれのケースが抱える事情によって異なります。また、返済期間も借金のケースにより異なる場合があります。

    また、うつ症状を抱え、「それまでと同様に働くことが難しい」という事情がある場合には、自己破産による解決が基本となります。安定した収入を確保することが難しいケースで、数年以上の分割返済が条件となる任意整理・個人再生を利用することは現実的ではないからです。

    とはいえ、家族などの支援が見込める場合や、債務整理したことでうつ症状が改善され早期の職場復帰が期待できるケースであれば、自己破産以外の方法を選択することも不可能なわけではありません。債務整理を依頼する弁護士とよく話し合って、納得できる方法、確実に解決できる方法を選択することが重要でしょう。

4、うつ病の治療は専門家の指導を受けて

借金返済の問題は、債務整理をすれば解決することができます。

しかし、うつ病は、専門医・専門家の指導・支援をうけて、適切な治療、就労能力を回復させるためのトレーニングなどをじっくり行っていくことが大切です。専門医の指示・指導にしたがって、それぞれのケースに見合った対応をとることをおすすめします。

就労移行支援事業所を利用する

就労移行支援って何?

障害のある方の社会参加をサポートする、国の支援制度で障害者総合支援法という法律があります。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。
一般企業への就職を目指す障害のある方(65歳未満)を対象に就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートをおこないます。

利用料金は?

就労移行支援事業所は、多くの方が無料で利用していますが、前年度の所得に応じて自己負担は発生する場合があります。

お勧めの就労移行支援事業所

パーソルチャレンジ・ミラトレ

パーソルチャレンジ・ミラトレ は運営会社であるパーソルチャレンジは、総合人材サービス「パーソルグループ」の特例子会社として、障害のある社員とともにはたらく会社です。
特徴としまして、

<1>一人ひとりに最適な支援計画
<2>高い実績 「就職率98%」「職場定着率80% ※就職後半年後の定着率」
<3>障害のある社員300人超が活躍してる特例子会社だからこそ培った就労継続ノウハウを活かしたトレーニングプログラムがあります。

利用者の声

気分障害(うつ病)38歳 男性

はたらく上での課題がクリアになりました。
症状への対処方法が分からず、このままで就職できないと思い支援を受けることにしました。最初は1日フルで通うことも難しかったのですが、通所を続けるうちに徐々に安定。コミュニケーションを中心としたプログラムがとても参考になっています。現在の自分の課題は、人との距離感を掴むことだとわかりました。

発達障害 女性 26歳

疑似就労体験で、成果を実感!
職場での「報・連・相」が苦手だったため、疑似就労プログラムがあるミラトレを選びました。事業所では実際の仕事のように職務が割り当てられ、利用者同士で協力して行う作業などもあります。こうしたプログラムを通じて、コミュニケーション能力を改善できていると実感しています。

といった声があります。

5、まとめ

うつ病は、借金の原因となるだけでなく、借金問題をさらに悪化させる悪循環の要因になりかねません。うつ病と借金の二重苦の状況に陥ってしまった場合には、1日も早く、弁護士や専門医のアドバイスを受けることをおすすめします。また、当面の生活に不安があるときには自治体の福祉窓口(社会福祉協議会)に相談するとよいでしょう。

コメント