日本とアメリカのカウンセリング事情

欧米に比べ大きく遅れているといわれる日本のメンタルヘルスを取り巻く環境。
事実、欧米ではカウンセリングを受診した経験のある人は52%にも上りますが、日本では6%という低水準。先進国のなかで突出した自殺者数についても、厚生労働省は深刻な状況と受け止めています。

海外の友人や知り合いからいろいろ聞いたので、今回は海外と日本のカウンセリング事情についてまとめてみました。

海外ではカウンセリングは当たり前?

一般的な料金

料金はとても気になる情報ですね。カウンセラーの習熟度にもよりますが、1時間6,000円~15,000円程度が相場です。

これは日本とそれほど変わらない金額となっています。

受診の流れ

アメリカのカウンセリングも日本と同じく、個室で完全予約制となっています。

初回面談(インテーク)では時間をかけて話しを聴き、今後の方針を決めていきます。

初回以降も、一回60分~90分程度でカウンセリングを受けます。カウンセラーには守秘義務がありますので、安心して話をすることができます。

何を話しても自由なので、日常のちょっとした悩みごとを相談することもできます。時間が来れば、次回の予約をして規定の料金を支払い、終了となります。

アートセラピーも一般的

アメリカには、「American Art Therapy Assciation」という協会があり、そこで認定しているアートセラピスト資格を持った人が、様々な分野で活躍しています。

教育機関、カウンセリングルーム、刑務所のほか、病院(精神病院、心療内科、長期入院患者、小児科、ホスピスなど)に常駐している場合もあります。

具体的な取り組みとしては、病院に設けられた自由に絵を描けるスペースが挙げられます。そこにはセラピストが常駐していて、患者が自分の好きな時に心の絵を描くことができます。

日本とアメリカのカウンセリングの違い

カウンセリングの社会的浸透度

日本では「カウンセリングは心が病んでいる人が受けるもの」という認識が強いのではないでしょうか? うつ病や対人恐怖症などになって初めて利用するイメージですね。

アメリカではカウンセリングへの敷居が低いうえ、精神疾患を治すために受けるだけではなく、心の調子を整えるために気軽に受ける人が多くいます。つまり、メンタルの自己管理のために受けているのです。いわゆる自己啓発に近いです。

企業の経営者には専属のカウンセラーを雇っている人もおり、「病んだ人だけが受けるもの」という認識ではありません。

むしろ、病まないために早めに受けるという感覚です。
そして、心理的なハードルが低いです。「カウンセリングに通っている」と言っても偏見の目で見られることは少ないですし、家族や友人に悩みを相談すると「カウンセリングに行ってみたら?」と気軽に勧められることもあるようです。

薬の処方ができるかできないか

アメリカではカウンセラーが薬を出せる権限のある州がありますが、日本では医師免許を所持していない限り、すべてのカウンセラーに薬を出す権限がありません。

海外でカウンセラーになるには?

海外のカウンセラー資格

アメリカのカウンセラーの資格ですが、大きく分けて三つの資格(LMFT、LCSW、LPCC)があります。これらの資格を取るためには、 ①指定大学院卒業 ②インターン時間の終了 ③2度の国家資格試験 をパスしなければなりません。

当然、お金も時間もかかります。カウンセラーになるためにはおおよそ10年の期間がかかるようです。

カウンセラーの仕事内容

カウンセラーは心の問題を抱えている人に寄り添い、じっくりと話を聴くことで解決に導いていく仕事です。これは、日本もアメリカも同じです。カウンセラーにアドバイスを求めて来られる方がいますが、基本的にカウンセラーはアドバイスをすることがほとんどありません。なぜ、アドバイスをしないのでしょうか?それはアドバイスをすることで、その人が本来持っている「決断力」を奪うことになってしまうからです。

カウンセラーの年収

日本の臨床心理士で、年収300万円~400万円ですが、アメリカでは約800万円以上のようです。アメリカのカウンセラーと比較すると、日本のカウンセラーは収入が大変低いことがわかります。

今回は、アメリカのカウンセリング事情についてご紹介しました。公認心理師の国家資格化が表しているように、日本でも少しずつですが、カウンセリングに対する需要が高まりつつあります。保険適用の範囲が広がれば、カウンセリングのニーズが一気に増えることでしょう。

カウンセリング効果

カウンセリングによって期待できる効果について解説していきます。

心が軽くなる

声に出して悩みを第三者に打ち明けることで、重い気持ちがとりはらえてスッキリとした感情になります。カウンセラーに自分の状況や悩みを共感してもらえることで自信が沸き、前に進もうという気持ちが芽生えます。

自分が陥っている状態について理解できる

自分がどういう状況で悩んでいるのかを、しっかりと理解できていないこともあります。カウンセラーと対話をすることで、自分の状況がどういうのものかをしっかりと整理できます。

人間関係がスムーズになる

問題が相談者自身だけではなく、相談者を取り巻く周囲の人間にも関係しているケースがあるため、カウンセラーはクライエントとクライエントの周りにいる人についても分析しています。周囲の人間関係などの状況も自分の中で整理できるので、その後の人間関係がスムーズになっていきます。

新しい自分に出会える

カウンセラーは話を聞くだけはなく、時には専門的な観点から分析し、客観的に意見してくれることもあります。そのため相談者は主観的な考えだけではなく、物事を違う方向から見れ、新しい発見を得られます。この気づきから問題解決の糸口が見つかる可能性もあるため、新しい自分に出会うことはとても大切です。

まとめ

カウンセリングというと、日本ではまだまだ、「精神的に弱い人や心の病を抱えている人が行くところ」というイメージが強く、ちょっとした相談などで気軽に活用する人は少ないですよね。しかし、海外では友達に相談するくらいの気軽さでカウンセリングを活用する国もあります。夫婦間の問題、子育てに関する悩み、仕事の悩みなど、なかなか親しい人には相談しにくかったり、的確なアドバイスがほしいとき、カウンセリングはとても役に立ちます。

日本でも、対面カウンセリングは少し敷居が高く感じられますが、オンラインカウンセリングであれば、空いた時間などに利用しやすく、育児や家事が忙しく外出できないという方にもおすすめです。

「心療内科やカウンセリングルームに行くのはちょっと気が引ける」という方は、オンラインカウンセリングを活用してみるのもおすすめです。

一人で悩むよりも、カウンセリングなどを利用して、専門家に話して、悩み、不安を解消するのも手かと思います。

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